「どー言う――…」
「あー…、なんか食べ過ぎかも」
あたしがどー言う事?って聞こうとしたら、戻ってきた明るい夏美の声に遮られ、静まってた空気さえも、一瞬にしてまた変わった。
「夏美の食欲は凄いな」
颯ちゃんはクスクス笑いながら夏美を見て言う。
「欲張って食うからだろ」
その後、直司はため息混じりに言う。
「煩いよ。…あれ?美月、食べてる?いっぱいだよ?」
さっきの事を考えてボーっとしているあたしの目の前に夏美の手が現れ、そのまま夏美は軽く手を振る。
「あっ、うん…」
慌てて頷いて、夏美を見て微笑むと、夏美は振っていた手を止め、あたしの皿に指差す。
その夏美の指を辿って視線を落とすと、あたしの皿は肉で埋もれてた。
うわっ!!
思わずあたしは心の中で叫ぶ。
これ入れたの、きっと隼人だ。
そう思い隼人を見たら、そのあたしの視線に気付いたのか、「ん?」と声に出さず目で訴えてきた。
そんな隼人に、あたしは軽く首を横に振り、溢れる肉の内、一枚を口の中に入れた。



