「おい夏美。お前あんま食うなよ」
夏美の前に座っている直司はウーロン茶を飲みながらため息混じりに言う。
「何で?」
「何でって、俺まだ何も食ってねぇんだよ。つーかお前が一番食いすぎだろ」
「いいじゃん別に。最近、肉不足で…」
「腹には肉ついてんのにか?」
「ウルサイ。見てねぇくせに言うな」
直司と夏美の会話に、あっちゃん達は呆れた様に笑い、あたしも苦笑いをする。
そんな他愛もない会話がダラダラと続き、肉も少なくなってきた頃だった。
「ちょっとトイレ…」
夏美がそう言って立ち上がり、靴を履いて夏美はトイレへと向かう。
だけど、夏美が居なくなっただけで、今まで笑っていた直司の笑みがスッと消えた。
ホントにホントに一瞬だった。
さっきまでの笑いが嘘の様に、直司の顔は一気に怖くなった。
直司は夏美の背後を目で追う…



