頼んだ肉があたしと隼人の前に次々とテーブルに置かれ、あたしは2皿を夏美へと渡す。

夏美は皿を受け取り、あっちゃんへと回す。


中央にある炭は赤く火花がちり、隼人は網の上に次々と肉を置いていき、ジュッと焼ける音が耳に伝わりニオイが立ち込める。


「食えよ」


暫く焼かれていく肉をジッと見ていると隼人は焼けた肉を1枚、箸で挟みあたしのお皿にポイっと入れた。


「あ、うん…ありがと」

「食わねぇと無くなんぞ。夏美見ろよ」


隼人はフッと鼻で笑い、あたしから夏美に目を向ける。

その視線にあたしも夏美へと目を向けると、皿の中に数えきれないほどの肉が入っていて、それを夏美は幸せそうな顔をして口に入れていく。

その光景を見て、思わずあたしは苦笑いをした。


「美月も食べなよ」


夏美は肉を食べながら、チラっとあたしを見る。


「あ、うん」