「…ごめ、ん。でも、どうしても隼人にききたい-―…」
ほんと一瞬だった。
あたしの言葉を無理矢理遮る様に、あたしの唇が隼人の唇で塞ぐ。
あまりの出来ごとに目を開けたまま茫然と立ち尽くすあたしは閉じる事さえも出来なかった。
「…美月の、所為…」
不意に離れた唇。
目の前の隼人の口がゆっくりと動く。
切なさそうに見る隼人の瞳が、何をどう思っているのかなんて全然分からなく、
「…隼人」
そっと、あたしは隼人の頬に触れた。
「全部、美月の所為だから…」
「……」
「俺の感情、揺るがすなよ」
「…隼人?」
「……」
「隼人、説明してよ。言ってる意味分かんない」
隼人は少し寂しげに頬を緩ませると、頬に触れていたあたしの手をそっと掴んで離した。
「分かんなくてもいい。もう、帰れ」
「何それ…一方的な訳?あたし、隼人にまだ聞きたい事聞いてない。聞いてくれるからここに来たんじゃないの?」
だって、まだ何も聞いてない。
学校辞めちゃうの?
どうしてここに居るの?
倒れたあたしを助けてくれたのは何で?
ごめんって呟いた意味は何?
そして、お兄ちゃんとの約束って何?
さっきのキスの意味は何?
まだまだ聞きたい事は山ほどあるのに、勝手に行こうとしないでよ。



