その手に触れたくて


「アンタ、見掛けない顔だな」


思わずビクっとしてしまったのは背後から掛けられた男の声。

ゆっくり振り返ると、いかにもイカツイ顔が目に飛び込む。


「……っ、」

「もしかして、新入り?」


そう鼻でフッと笑った男は足を数歩進めてグッとあたしとの距離を縮める。

鼻に突き刺さるような香水の匂い。

あまり、その好まない匂いに思わず顔を顰めたくなった。


「…いえ、探してる人が居るんです」

「ふーん…探してる人ね。…誰?」

「言ったら会わせてくれますか?」

「そう簡単にはいかねぇけどな」

「じゃ、じゃあ…どうしたら…」

「交換条件のんだら会わせてやってもいいよ?」


あたしを見下ろすその目があまりにも怖くて思わず息を飲んでしっまった。


「交換条件って…」

「まぁ、来たら分かる。着いて来いよ」


グッと目を細めた男は顎であたしを誘う。足を進めて行く男の背後を見つめてると、男はすぐに足を止めて振り返った。

まるで、来いよ。と言うその目付きに従う様に一歩前はと足を踏み出す。


地下とは別に、その階段の横にある扉に男が手を掛けた時、思わずあたしの視点が動かなくなってしまった。


丁度、その扉から姿を出した…隼人に身体が硬直しそうだった。