その手に触れたくて


思いがけない事で、何処かわからない場所を聞き出してしまった。

でも、そこに隼人が居るって言ってた。


会える確率は低くてもいい。ただ、とりあえずあたしはその場所を確かめたかった。

この目で。この、あたしの目でちゃんと確認したかった。


日曜日。もちろん夏美や相沢さんに言う事もなく、あたしは聞いた通りの場所へと足を進めた。

行った事のない裏参道。噂ではカナリ治安が悪いと言う場所。


荒れ果てた街並みがあたしの心臓をバクバクとさせていた。




「何、ここ…」


辿りついた瞬間、思わず口から洩れた沈んだ声。


荒れ果てた廃墟の街並みが気持ち悪く感じる。

行っちゃダメ。って言葉が本当に当てはまってるこの街並みに息が詰まりそうになった。


表にでると見違える様に人がありふれてて活気としているのに、一歩裏に入り込むと荒れ果てた街。

本当に真逆の世界だ。

だけど、その真逆の世界にもちらほらと人が居る。でも、どう見たっていい人そうには見えないその風貌に足が佇んだ。


一角に留まる場所に人が出入りをして行く。スプレーで落書きをされた建物は見るからに良くはない。

そして、建物の端にあるのは階段らしきもの。


多分、地下。ここに、隼人が居るんだろうか…