「こら、直司くん吸っちゃ駄目でしょ!」


おばちゃんのハスキーな声が飛ぶと、「へいへい」と言って止める気配もなく直司は吸い続ける。


「夏美、何すんの?」


あっちゃんの問い掛けに、「適当に…」と夏美は返す。


「美月ちゃんは?」

「あっ、あたしも何でも」


顔だけ覗き込むようにして言ってきた、あっちゃんにそう言うと、あっちゃん達は適当にメニューを見て注文した。

暫く経つとウーロン茶が運ばれ、


「敦也、乾杯の声かけろ」


そう言って、颯ちゃんはグラスを手に取る。


「よっしゃ」


あっちゃんはグラスを手に勢い良く立ち上がる。


「では、直司の奢りにカンパーイ」

「おぉ、カンパーイ」


あっちゃんの掛け声の後、颯ちゃんが声を上げ、あっちゃんのグラスにカン…と当てる。


「美月、乾杯」


夏美はクスクス笑いながらあたしのグラスにカン…と当てる。


「その言い方がマジうぜぇ…」


直司は灰皿にタバコを打ち付けながら不機嫌に呟き、隣の隼人は直司のタバコの箱から1本取り出し、クスクス笑いながら火を点ける。