「場所までは知らないけど、何?美月ちゃん行く気なの!?」

「……」


少し張り上げた声にあたしまでもがビクンと肩が上がる。


「ダメ!!絶対に行っちゃダメ!!行っちゃダメって言うか絶対近づいたらダメ!!じゃなきゃ、美月ちゃんまで出てこれないよ!?」


必死で言う相沢さんは恐ろしいほど青ざめていた。


「でも、隼人…」

「もう、ほっときなよ!!そこに行ったのは隼人自身じゃん!!分かってて入ってんだよ!?」

「でも…」


助けたい。と言うよりも、そこから早く出てほしいってのが正しかった。

どうしてそんな所に居るの?


…ねぇ、隼人。

なんの為に?


「ホントにダメだから。もう隼人と係わらないほうがいいよ。夏美ちゃんだって絶対そう言うって!!」

「……」

「ねぇ、美月ちゃん!?」

「……」

「聞いてる!?」

「……」

「ねぇってば!!」

「…でも、まだ好きなの」


あたしの口からそう言うのが精一杯だった。