「バイト?」

「うん。寝たら金貰える所」

「寝たら…って?」

「だから…男と女が」

「え?」


一瞬、意味が分からなかった。

相沢さんの言ってる意味があたしには全く分かんなかった。だけど、相沢さんはさっきとは打って変わって言葉を次々と発していく。


「ガラが悪い人達が集まっててね、何て言うか…人生がもう嫌になったとか、悩みを持ってそれを忘れたい人達がそこに集まる場所」

「……」

「要するに闇の中に居る人達。だからdarkって言うの」

「…ダーク」

「裏世界って奴。寝たら忘れられる人達沢山居るんだって。女も、男も。で、そー言った人達の集まり場所。分かんないけど、お金も貰えるとか聞いた」

「……」

「だから一石二鳥だって」

「……」


一石二鳥?

何が?何が一石二鳥なのかも分かんない。


「でも、そこに入ったら絶対抜け出せないって聞いた事がある」


思わず呼吸すら出来ない感覚に襲われる。

確か、確か…あの時、言ってた。直司達が集る場所で誰かがそんな事を言ってた。


「…場所って何処?」


ポツンと思わず漏れた言葉。

その拍子に相沢さんは驚いた様に俯いていた顔をバッと上げた。