「あたしは…あたしはまだ、隼人が好きだよ？別れる事とかなんて一度も考えた事なんてなかった。これからもずっと一緒に居たいと思う」
「……」
「隼人が疲れるのなら、あたしが重いって言うのなら全て直すよ？」
「……」
「あたしは…隼人と居る事に苦痛を感じる事なんてなかった。ただ、一緒に居れればいいって、そう思ってた」
「……」
「これからも、ずっとずっと一緒に居たいと思ってた」
「……」
話の途中で視線を落としていく隼人の姿を潤む瞳でずっと見てた。俯く隼人を見ながらあたしは深く深呼吸をする。
震える唇が何だか異様に冷たく感じた。
「もう…あたしの事は好きじゃないの？」
「あぁ」
あたしの頬にツーっと涙が伝う瞬間だった。
「もう、無理？」
「ごめん。別れよって言うか別れたい」
「どんなに好きって言っても？」
「あぁ」
「もう、あたしよりその人が好き？」
「…あぁ」
伝った涙の回数なんて正直分かんなかった。分かんないくらい頬を伝ってた。すすり泣く声さえ我慢しても涙は止まんない。
様子がおかしかった隼人は、こんな事を考えていたんだろうか。あたしと一緒に居たのに、あたしと一緒に寝たのに。
なのに、あたしは気分上々に浮かれてて隼人と居た。何もあたしの事なんて想っていなかった隼人と居た。
馬鹿みたいに浮かれてて一緒に居たのはあたしだけなの？
何で？どうして？何でなの？
ねぇ、何でなの？
