「忘れた」
「えっ、マジかよ…」
「窓のサッシに置いたまま」
しくじった…と言う表情をし、隼人は小さく舌打ちをした。
「…んだよ。全滅かよ」
あっちゃんは顔を顰めたまま指に挟んでいたタバコを箱の中に戻そうとする。
その時、ふとあたしの鞄にマッチがある事に気づき、「あっ、」と声を漏らした。
「あたし持ってる」
そう言って鞄の中をガサガサするあたしに3人はあたしを見る。
「お前って吸うの?」
そう問いかけてくる隼人に「吸わない」と言って鞄の中からマッチを取り出し、それを差し出す。
「はい」
「何でマッチなんか持ってんだよ」
隣で不思議そうに聞いてくる隼人に、あたしは曖昧に笑って軽く流す。
そんなあたしに隼人は不思議そうにジッとあたしを見つめてた。



