「あの…、」
そこで言葉を継ぐんだあたしは凛さんに視線を合わせる。
その視線に気づいた凛さんはコクリと首を横に傾げた。
「何？」
「えー…っと、」
「何？どうしたの？」
「あ、うん。凛さんってお兄ちゃんが好きなんですか？」
そう言った瞬間だった。
「え？あたしが響を？」
驚く様に目を見開いて凛さんは今までないような声でゲラゲラと笑って手を左右に振る。
「ないないないない。それは絶対にないから。確かに一緒に居る回数は多いけど、それは絶対ないから」
「……」
「もしかして美月ちゃん、そんな事思ってたの？って言うかそんな目で見てたわけ？」
あはは…と笑い続ける凛さんにあたしは思わず唖然と見てしまった。
「あ、いや…」
「なんかビックリ発言だよ。あー、驚いた」
「ですよ…ね」
「喧嘩するほど仲がいいって言うじゃん。まさにその通りの言葉だよ。響とはただの言い合い仲間って感じかな。ほら、家が隣って言うだけの繋がりだよ」
「あ、そうなんだ…」
「うん。だからあたしと響をそー言う目で見ないでね」
「あー…はい」
なんか一瞬にして思っていた事が馬鹿らしくなった。凛さんは未だに面白そうに笑っている。そんな凛さんと他愛もない会話を交わした後、あたしはすぐに家に帰ってまたベッドに寝転んだ。
