「ってか、あたし結局は誰に言ったらいいんですかね？お兄ちゃんにも凛さんに言えって言われるし、凛さんにもあたしに言わないでっていわれるし…。だからこれって誰に言えばいいんだろ」
凛さんに対して言った言葉なのに結局半分は自分に対しての問い掛けみたいなもんだった。
２人とも、あたしじゃない。俺じゃない。みたいになってるから結局はどーしていいのか分かんなかった。
「って言うかさ。これはあたしに対しても響に対しても言う事じゃないんじゃない？」
「え？」
「もっとさ、肝心な人に言うべきだよ」
「肝心な人…？」
「そう」
そう言われたあたしは少し頭を捻った。
そして出て来た言葉が、
「隼人…」
呟くように小さな声だった。
その声に反応した凛さんは柔らかい笑みを漏らす。
「そう。分かった？あんなにさ毎日、あの響に頭を下げるなんて凄い事だよ。根性あるよね」
「……」
「美月ちゃん、幸せ者だねー。あたしもそんな事されたいよ。って言うかそー言う人に巡り会いたいな」
そんな笑みを漏らしながら言ってくる凛さんがふと気になってしまった。前々から何となく思ってたんだけど、凛さんとお兄ちゃんって自棄に仲良しに見えてしまう。
まぁ、幼馴染だからそうなのかも知んないけど、仲良しに見えちゃう。
だからなのかも知れない。
