その手に触れたくて


姿がなくなった後、あたしは深いため息を吐き捨て家の中に入る。

入った途端、ドッと疲れが襲う様にしんどくなった。とりあえず手を洗ったあたしは隼人が買ってくれたサンドイッチを口に運ぶ。

だけど、しんどいのが勝ってる所為か、あんまり食欲は湧きでてはこなかった。


ほんの少しだけ口に含んだあたしは薬を流し込む。


早く…早く治ってほしい。そう、思いながらあたしはラフな格好に着替えてベッドに寝転んだ。


何も考えずにスッと眠りにつけたのは身体が弱ってた所為だろうか。ベッドに寝転んだ瞬間、あまりにも早く眠りに落ち、目が覚めた頃はもう日が完全に落ちていた。

ベッドに寝転んだままスクール鞄を引っ張り携帯を取り出す。

部屋が暗い所為でもあって、開けた携帯の画面の明るさに一瞬目が眩んだ。


時間は17時46分。


いったいあたしは何時間寝たんだろうか。余裕で6時間近くは寝ている様な気がする。


「…寝過ぎ」


ポツンと言葉を吐き出したあたしはため息を吐き出し、その持っている携帯の画面に視線が止まる。

着信とメールの不在が目に飛び込み、あたしはメールを開ける。

メールは隼人からで、「大丈夫か?」と、あっさりしたメールの内容。送られてきたのは15時だからもう3時間前。

続いて着信も開けると、同じく隼人からだった。メールの前に掛けられていた電話。爆睡していた所為で何も気がつかなかった。


だからあたしは慌てて隼人に電話した。


「…美月か?」


数回の呼び出し音ですぐに出てくれた隼人は、沈んだ声であたしの名前を呼ぶ。


「うん。ごめん、遅くなって」

「いや。それよか大丈夫か?」

「うん。あれからさ、今まで寝てた」


少し呆れた様に笑うあたしに、


「だと思った」


そう言って、フッと笑う声が電話口から洩れる。