「隼人は分かってないよ。もし、隼人の事が好きだったら喜ぶに決まってんじゃん」

「つか、あんなので喜ぶのかよ」

「女はそうだよ」

「へー…ま、俺には美月しか興味ねぇからどーでもいいけど」


ホントどーでもいいような反応。

ポンと額に置かれたタオルから、また新たに冷たさが伝わってくる。


「ありがと」

「あぁ」


ポケットから携帯を取りだした隼人は時間を見たのか、開いて直ぐに閉じる。


「なぁ?美月?」

「うん?」

「授業でよーと思ってんだけど一人で大丈夫か?」


持っている携帯をポケットに突っ込んだ隼人は優しくあたしの頭を撫でた。


「うん。いいよ」

「出てねー分、取り戻してくっか」


フゥーと息を吐き捨てた隼人にコクンと頷き軽く手を振る。


「また終わったら来っから、それまで寝とけよ」

「うん」

「じゃあな」


姿を消してシャっとカーテンを閉めた瞬間、何だか一気に寂しくなってしまった。

でもこれ以上、隼人の単位を減らすわけにもいかない。


我慢をグッと堪えたあたしは眠りに入ろうと、布団を引っ張りゆっくり目を閉じた。