「動かすなよ」

「はい」


やっぱし気になる。

見たいけど見れない。カーテンを開ける勇気なんて…ない。


「はいよ」

「すみません。有難うございます」

「別に…」


ガラッとまた開いた扉はきっと女の子が出て行ったのだと思う。

そのすぐ後にカーテンが開き隼人がひょっこり顔を出す。


不意に見たあたしと目が合って入ってくる隼人に、


「貼ってあげたの?」


少し不機嫌そうに小さく声を出した。


「うん。なんかすげぇ血でてたから」

「ふーん…そっか」


少し表情が曇るあたし。


「え、何?もしかして焼いてんの?」

「そ、そんなっ、」


事…あるかも知れない。

思わず口を継ぐんだあたしに隼人は意地悪にクスクス笑みを漏らす。


「お前、かわいーな」

「……」


ポンと触れられた頭。

これ以上、変な熱は上げたくない。


「つか、貼ってあげただけだし」

「じゃ、なくて…優しくして隼人に好意もたれたら困る」

「好意ってあんなんでもつ訳ねーだろ」


そう言って隼人はあたしの額にあるタオルを取ってカーテンを開けた。