面倒くさそうに眉を寄せた隼人は何もなかったかの様にカーテンを手の甲で払い、開いた隙間に顔を入れる。
「何?」
低くそう呟く隼人。
「あ、えっと…先生は?」
そう恐る恐る声を出したのはどうやら女の子らしい。
しかも可愛らしい声。
「今いねーけど。何か用?」
「あっ、指切ったんで絆創膏が欲しくて…」
「あー…ちょっと待って」
顔だけ出していた隼人は少しカーテンを開けて身体を出していく。
その隙間からふと見えたのがセミロングの小柄な女の子。
後輩?もしくはタメ?じゃ、なくて先輩?色んな考えが頭の中をグルグルと回る。
「あれ?ここにあったのにねーし。あの、ばばあ何処にやったんだよ」
ブツブツ呟く隼人はガチャガチャと何かを触りながら探しているらしい。
カーテンが仕切られているからよく分かんないけど絆創膏を探しているのには間違いない。
「あの、無かったらいいです」
「いや、…あ、あったぞ。はい」
「あ、有難うございます」
「つか、それ消毒したほうがよくね?」
「あー…」
「ちょっと待って」
そう言った隼人はまたガチャガチャしだす。
そんな2人が気になって仕方がない。今、2人は何してんのか…とか会話が気になって仕方がない。
やましい事なんてないって思うけどカーテンで仕切られて見えないその向こうにやっぱし意識してしまう。
あー…ダメだ。あたし…



