なのに隼人はまた口を開かずただ外を見てるだけだった。
事実だから…あたしが言った事が事実だから隼人は返事をしないんだろうか。
そんな隼人に、
Γねぇ、応えてよ」
あたしの口から震えた声が微かに出た。
未だに何考えてんのか分かんない隼人は深いため息を付き、
Γ…そうかもな」
そう小さく呟いて額に左腕を乗せた。
Γえ、ちょ…ちょっと待ってよ。何それ…どう言う意味?あたしがお兄ちゃんの妹だったらダメなの?意味分かんないよ。分かんないよ…隼人もお兄ちゃんも全然分かんないよ」
言った途端、何か分かんないけど悔しくて悔しくてあたしの目から涙が零れ、それがゆっくりと頬を伝った。
頬へと伝う涙を手の甲で拭うあたしに、
Γ俺と響さんの関係ってそんなもんだから…」
隼人の低い小さな声が耳に届いた。
そんなもんって何?分かんないよ…何でダメなの?
お兄ちゃんは“別れろ”って言うし、隼人は“そうかもな”って言うし全然2人の事が分かんないよ。
なんであたしはあの時、お兄ちゃんに助けを求めたんだろう。あの時、お兄ちゃんに助けを求めてなかったらこんなよく分からない会話なんてしてないのに。
けど、あの時お兄ちゃんに助けを求めてなかったら隼人はもっともっと重症で生きてたかも分かんない状態だったのかしれない。
そう思うと、結局はあたし自身を追い詰める事になってた。
あの時あたしが隼人に飲み物買いに行こうなんて言ったから…
あたしが…
あたしが…
あたしの所為で――…



