着いてすぐ見上げる先に見えるのは隼人の居る病院。その病院を見た途端、不意にあたしの口からため息が漏れていた。
隼人はどうしてるだろう…とか隼人は何考えてんだろうとか思うと、何だか胸が苦しくなってて…
あたしの言った行動からこんなめに合った隼人に心を痛めた。
受付に行って壁に掛けてある時計を見ると、とっくに12時を過ぎてて14時を回ろうとしていた。
受付で隼人の名前を告げて隼人の病室を聞く。
向かう足取りが何だか妙に重くて、あの傷めつけられてた隼人の姿を見るのが恐くなってた。
病室の前まで来てプレートを見ると、隼人の名前が刻まれていて、本当に隼人がここに居るんだと実感すると一瞬、目が潤んだ。
扉の前で一息吐き、コンコンと一応ノックしたけど中からの返事は全くなく、あたしはもう一度ノックをする。
だけどやっぱり隼人からの返事はなくて、仕方なくあたしは、
Γ…隼人?」
そう小さく呟きドアを開けた。 開けてすぐ足を進ませ取り囲んでいる淡い黄緑色のカーテンを開けると、そこに居た隼人に絶句しそうだった。
点滴をした隼人は額に包帯をグルグルと巻いて目も鼻も口元も青く腫れあがっていて所々に小さなガーゼが貼りつけてあった。
まるで隼人じゃない人がベッドに寝転んでいた。立ち尽くすあたしに気付いたのか隼人は一瞬だけあたしを見て、すぐにあたしから目を逸らす。
Γ…隼人?」
そう隼人に問い掛けるあたしに、隼人は何も言わずにただただ窓の方をずっと見つめてた。



