その手に触れたくて


美優さんと言うのはお兄ちゃんの彼女だった。

友達の集まりで知り合ったお兄ちゃんと美優さんは中学3年の頃から付き合ってた。

だからあたしは中学1年だった。


当日のその頃のあたしは毎日明け暮れて帰って来るお兄ちゃんとは口も一切聞かない状態だった。

だから勿論お兄ちゃんから美優さんの話なんて聞いた事がなかった…。


お兄ちゃんと美優さんの関係はよく家に来てた美優さんの口からいつも聞いてた。

“響の喧嘩が嫌なんだよね”とか、“最近あたしの言う事、聞いてくれないの”とか、お兄ちゃんに対する愚痴が殆どだった。


美優さんはお兄ちゃんの事が本当に好きで、喧嘩に行っててもそれを受け答えるかのように許してた。

お兄ちゃんの美優さんに対する気持ちなんて知らなかったけど、お兄ちゃんを見てる限り美優さんを大切にしてたと思う。


だからそんな美優さんが羨ましかった。透き通った白い肌に綺麗なストレートの薄い茶色の髪が似合う美人さんだった。


でも、その美優さんがこの世から居なくなったのは誰もが予想していなかった事だった――…