手を荒い終えた後、さっきまでいた待合室に行くとお兄ちゃんと悠真さんが良くない表情で何か話してた。

あたしと凛さんの気配に気付いたお兄ちゃんと悠真さんはあたし達の方へと視線を向ける。


そのお兄ちゃんに見つめられる視線が何だか異様に怖くて、つい身を凛さんの後ろに隠した。


Γあのさ、響。今日、美月ちゃん家に泊めるから」


来て速攻、直球で言った凛さんの言葉に、


Γあ?」


凄く不機嫌なお兄ちゃんの声が落ちる。


Γだから美月ちゃん、あたしの家に泊めるから」

Γ泊めるからって勝手に決めてんじゃねぇよ」

Γじゃあ、泊めてもいいですか?」

Γ無理」


案の定、お兄ちゃんは機嫌が悪く凛さんとお兄ちゃんとの間に亀裂が入る。


Γだって美月ちゃん疲れてるし可哀想じゃん」

Γあ?だってもクソもねぇんだよ。コイツの何処が疲れて可哀想なんだ?お前の家には泊めさせねぇ、俺はコイツと山ほど話しが残ってんだよ。馬鹿みてぇにお泊まり会してんじゃねぇよ」


そう、お兄ちゃんが吐き捨てた後、凛さんは視線をお兄ちゃんに向け一方前へと歩み寄った。