「どうした?」
隼人に聞かれたのにも関わらず、あたしはゆっくり首を横に振った。
どうして?
彼女いるのに…
何で?
聞きたい事は山ほどあるのに、あたしは何一つ言えなかった。
隼人はあたしの背中を撫でながら、もう一度、自分の唇をあたしの唇に重ね合わせてくる。
そのままあたしの唇からゆっくり離れ、首筋を辿っていく。
その隼人の舌の感触に身体がゾクっとし、あたしの身体は異様の熱くなっていた。
それと同時に背中を撫でていた隼人のてがピタッと止まり、一瞬にして隼人はあたしを抱え上げ、ベットに寝かせた。
あたしの上に覆いかぶさる隼人は、あたしの首筋に舌を滑らす。
なんで隼人は彼女が居るの?
なんで隼人はあたしの彼氏じゃないの?
なんでこんな事になってんの?
それと同時に、
“ごめんなさい。彼女さん…”
痛い痛い言葉があたしの頭の中を支配した。



