*Yuya side*

* * *


「もー!!離してよ!!むかつくあいつなんなの!!
一発殴らせて!!」

「そんなことしたら、俺たちがここで隠れてた意味まるでないじゃん。」

「そーだぞバカ美咲!!少しは考えろ!!」

「だって…」


美咲、翔吾、俺はこの一部始終が見えるポジションにいた。
もちろんバレないように。美咲はバレそうだけど。

朝倉が雅樹に言った言葉が所々聞こえてくるくらいの至近距離だったから、俺たちの息の潜め方は尋常じゃなかったようにも思う。

雅樹はこれで、完全に動けなくなった。

それだけ分かれば充分だった。