朝、目覚める前に俺は必ず隣に眠る歌乃を引き寄せる。


同棲してたときからの癖だ。


この日も、まだ隣で寝ているであろう歌乃を探して手が動き回る。



カサッ



「ん?」



でも、手に当たったのは柔らかい歌乃の体ではなく



「・・・・・・・・メモ帳?」



二つに折られた小さなメモ用紙だった。



以前歌乃が使っているのを見たことがあるから、歌乃が書いたものだろう。



「何だ?」



まだ寝呆け頭で、俺はメモ用紙を手に取った。




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┃  ちょっと出かけてくる  ┃
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歌乃の走り書きの字を見て、首をひねる。



そんなに急ぎだったのか?



しかも今だって、決して遅い時間じゃない。



時計を見ると



「まだ7時だぞ?」



俺は歌乃に電話をしようと思い、スタンドの傍に置いてある携帯電話をとる。



だが、かけようと思ったら



ガチャッ