頬杖をついて窓の外を見ていると

「綾芽?なにぼーとしてるのー?」
話しかけてきたのはやっぱり唯。


私はまた作り笑いでごまかすと

「ほらっー帰るよっ」

「えっ?」

「鳴ったよ?チャイム…ホームルームだってとっくに終ったし」

唯が不思議そうに私の顔を覗きこむ


「あっ…ごめんごめん」
チャイムが鳴った事もホームルームが終わったことも気づかなかった


―しっかりしなくちゃ…


「へーんなのっ」

そう言って唯は私の頬に人差し指でつんつんした



―今日これから仕事があるんだからっ気持ち切り替えなくちゃ…


正直仕事する気分じゃなかったが
気分で休むほど仕事は甘くない