全てを手にした俺。



幸せと充実感。



「ちょっとリツ~…お父さんから電話あったよ?今だに名字の事で怒ってる」

「構うな。会社継いでやったんだから有り難く思えっつーの」

「二人とも何であたしに言うの!!お互い頑固過ぎる!!」

「風呂入れるか?」

「一緒に入る!!」



もうすぐ生まれる子供…。



どっちの子供でもイイ。



夢子の子供を愛せないわけがない。



「腹出たな」

「超動くの。痛いくらい」

「元気な証拠だな!!」

「うん…」

「俺と夢子だって他人同士。子供も血の繋がりなんかいらねぇんだよ」



お前が俺を愛してくれたみたいに、俺も愛する。



休みに家族で旅行いったり、学校の運動会で本気で走ったり。



カッコイイ親父になりてぇ。



それが俺の夢。



でもそれより…。



「キスして?」

「自分でしろよバーカ!!」

「ケチ!!」



コイツを幸せにするのが俺の一番の夢。