草食系肉食男子と夢子チャン

【律汰】



ムカつく…。



殴ってしまいそうだ…。



「今日はこちらに?」

「まぁね、夢にせがまれちゃって」

「そうですか…。じゃあ後程」



引き攣り笑いでペコッと頭を下げた夢子の腕を掴んでしまった。



どうしよう…。



「ス、ステキなブレスレットですね…」

「それは俺からのプレゼント。って言うか、触んないでくれるかな」

「これは失礼…」



連れ去ってしまいたい…。



夢子…。



「零、夢子に渡してくれ…。そのままアイツの気を引いて夢子を一人にしてほしい…」

「わかりました。若様、もう夢チャンだって限界ですよ…」

「わかってる!!わかってる…」



でも夢子の思いを無駄に出来ない。



迎えに行くから…。



零に渡したカードキー。



夢子が部屋に来てくれる事を祈って。



少しだけでイイから抱きしめたい…。