草食系肉食男子と夢子チャン

そしてパーティ当日、あたしは風雅さんが選んだ大人っぽいドレスを着た…。



髪もメイクも大人っぽい。



あたしに似合わない…。



「キレイだね夢」

「風雅さんもカッコイイよ?」



隣にいたら鼻が高と思うくらいカッコイイ風雅さん。



全然魅力を感じない。



その髪の色も目の色も。



王子様じゃない。



パーティは高級ホテルの中。



ここにリツがいるんだと思うだけで心が踊った。



「腕回して?」

「はい」



あたしの隣が風雅さんじゃなければもっと幸せなのに…。



ニコニコしながら隣に立ってた。



「お久しぶりです三谷さん」

「井坂っ…」



意外だった。



リツが自分から話し掛けて来た…。



久し振りに見るリツの姿に目頭が熱くなる…。



リツに…触りたい…。



好き…。



大好き…。



「何か悪いね、君から彼女を奪ったみたいで」

「はははっ!!夢子が望んだ事なら仕方ない」



リツ…。