その日、家に帰ると斗夢君がスーツを着てた。



「何そのスーツ!!」

「すっげぇおいしい話し!!ちょっと前の先輩に誘われてさ!!一稼ぎしてきま~す!!」



明らかにホスト…。



もうやんないって言ったはずなのに…。



どうしたの皆…。



「もしもし?リツ…」

「どうした?」

「声が聞きたくて…」

「今から会議だから後でな!!あっ、零!!その資料見せろ!!」



零さんがいるの…?



何で…。



「リツ!!零さんはっ!!」

「零がどうかしたか?」

「な、何でもない…」



リツを傷付けたくナイ…。



でもあたしも裏切ってるんだよね…。



風雅さんに会いにいってる…。



あたしも零さんと共犯だ…。



別れたら返してあげると言われて取られた指輪…。



あれがなきゃ…。



寂しくて死んじゃう…。