調度ヒマだったみたいで駆け付けてくれたお兄。



「俺斗夢!!」

「あ!?あぁ、凪だ」

「よろしく兄ちゃん!!」

「よろしく出来っかよ…」

「何で!?ブラザーじゃん?」

「ホストやってる弟なんて認めねぇよ」

「だってこのくらい稼がなきゃ学校通えないし…」

「あんなクズの帰り待ってんのか?」

「待ってはねぇけど借金返さなきゃなんねぇし…水商売以外稼げない」



あたしと同い年で借金返してるの?



何て偉い子なの…。



「17で水商売やってイイと思ってんのか」

「兄貴固いね」

「普通だ」

「だってバイクの修理代とか払わなきゃさ~…殴られたくねぇもん…」

「あのクソヤローと縁切れ。そしたら考えてやる」

「親父の事?」

「あぁ。あんなのとこの先一緒にいてもお前が苦しむだけだろ。現に8年も出てこねぇ奴の借金返す義務はお前にはねぇよ」



お兄はどこまで知ってるんだろ…。



さすがスパイ…。



まさか弟の存在も知って…た?