草食系肉食男子と夢子チャン

さすがリツ…。



一緒に崖から落ちたとしたら、あたしを踏み台にしてでも生き抜くと思う。



まぁそれがリツだってわかってるけどさ…。



「あっ、そうだ。お前ライブとか興味ある?」

「誰の!?」

「これ2枚もらったから」

「ウッソ!?これってすっごい取りづらいんだよ!?超行きたい!!」

「ならやるから行けば?」



行けば?



誰と?



リツ、今のはデートのお誘いではないのですか?



「リツと行く…」

「興味ねぇし」

「じゃあ誰と行けばイイの…」

「知るか」



やっぱりリツは甘くない…。



少しふて腐れ気味にチケットを見つめた…。



たまにはこんなデートもしてみたいのに…。



リツのバーカ…。



「バカじゃねぇよブタ」

「えっ!?あたし何も言って…」

「顔に出てる。お仕置き」



信号待ちの車の中…。



チュッとリツの唇があたしの唇に…。



うわっ…。