草食系肉食男子と夢子チャン

気まずいはずなのに笑うチカ君にちょっと癒された…。



「彼氏いるんだって?」

「うん!!超カッコイイの~!!」

「それを俺に言うなよなぁ~…。結構ショック受けてんだから…」

「あっ、ごめん…」

「別にイイけど!!俺、吉村さんにマジだからな!!」

「へっ!?」

「マジで好きって事!!でさ、今日バレンタインだから…」



その時一瞬にして目の前が真っ暗になった…。



顔に当たるくすぐったい髪はチカ君の物で…。



唇が塞がれてる事に気付いたのは数秒後…。



これはキス…?



「ちょっ!!辞めてよ!!」

「チョコの代わり。ごちそうさま。で、これが俺のアドレス~…と、番号ね!!んじゃ、頑張って勉強しようね~!!」



ノートの隅に書かれた携帯の番号とアドレス…。



一瞬の出来事過ぎて涙も出なけりゃ怒りも湧いて来ない。



あたしはチカ君とキスしたのか?



それすらちょっとわかんないくらい放心した。