桐島君と他愛のない話しをしてた。



それだけなのにお腹に回って来た手があたしをギュッと抱きしめて顔の横には誰かの顔…。



腕の感覚と匂いで誰だかはわかるんだけど…。



「おはよう桐島悠斗君」

「見せ付けてくれちゃうとこが根性わりぃな井坂」

「なんならキスでも見てく?」

「死ね」



向きを変えてあたし達のそばを離れてく桐島君…。



あたしはこんな事された事がなかったもんだから物凄く恥ずかしくてただ固まってた。



「早く戻ってくんじゃなかった?」

「ご、ごめん…」

「悪い子には後でお仕置き」



その言葉を残してリツは身体を離した。



脳に響くような色っぽい低音の声に身体が熱くなる…。



あたしリツ依存症?



もう足に力が入らなくて徒競走とかどうでもイイよぉ~…。



「あんた熱でもあんの?」

「り、リアっ!!ナイよ!?全くナイです!!」

「ならイイけどボーッとしてるからさ」



リツのせいだもん…。