草食系肉食男子と夢子チャン

ピアノとバイオリンと書道、お茶に格闘技系。



いろんな事をやらされてた俺はいつも相手が零だった。



尚人に運動は向いてない。



元々内気な尚人はいつも俺にべったりで後ろからくっついて来てた。



ウザイと思った時期もあったけど今はこうしてちゃんと兄弟だ。



「やっぱりお兄様には敵わない…」

「お前はやらないだけだ。俺はやらされてただけだけどな」

「会社を背負うのはお兄様しかいません。お父様もわかってるから僕よりお兄様に入れ込むんです」

「でもやってもらうぞ、これからは」

「わかってます」



また一芝居打つか。



シャワーで汗を流してからリビングで尚人と向かい合った。



そろそろ親父が帰って来るから。



「お前がやればいい」

「イヤです!!お兄様しかいない!!僕じゃ役不足なんですよ!!」



揉めてる振りをしてたら案の定親父が帰宅した。



義母もさっきから聞いてるみたいだし…。



さぁ、サルも騙せるサル芝居の始まり。