「あぁ、そうでなければ小夜子を誘えないさ」


――あたしのせい?



堤防の先端、柵を背にして立ったカイトは胸ポケットから赤い箱を取り出した。



「カイト・・・?」


「結婚しよう」


小さな箱を開けて指輪を取り出す。



「あたしに・・・プロポーズ・・・?」


「もちろん 小夜子にプロポーズしている」


小夜子は泣きたくなった。



にこりともしない無表情に近いカイトに。



――あたしはなんて事をしてしまったの・・・。



自分のせいで愛し合っていた2人を別れさせてしまった。


今、自分のした事の重大さを思い知った小夜子だった。