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「送らないで・・いい・・・」」


これからカイトは「SION」へ、花音は15階の自宅へ戻る。


エレベーターを一緒に降りようとするカイトの胸に手を置いて花音は言った。


「花音ちゃん・・・」


「カイトさん、これからはマンションであっても知らない振りをしてね?」


そう言うと素早くカイトの頬にキスをしてエレベーターを降りた。


そしてスライド式の扉が閉まってもガラスを通してカイトの姿が消えるまで花音は立っていた。



「カイトさんっ!」


花音はその場に座り込み頭を垂れた。


大理石風の廊下の床に涙が零れ落ちた。