夕方、部屋にいた花音はインターホンの音にビクッとした。



エントランスで鳴るインターホンの音と、玄関で鳴る音は違う。



今の音は玄関で鳴ったもの。



――だれ?カイトさん・・・?



花音はモニターの画面を食い入るように見つめた。



モニターの画面には端整なカイトの顔が映っていた。



――カイトさんっ!



インターホンに出るのも忘れて、花音は玄関へ走った。




ガチャ!



勢い良くドアが開いた。



「カイトさんっ!」



開くと共に花音が飛び出してカイトに抱きついた。



抱きつかれてカイトの持っていた大きな箱が下に落ちた。