耳を疑った。
双葉は…何を言っているのか
自分でわかってるの?
嫌いじゃないって…
好きっていうことなんだよ?
ましてや、自分のこと好きか
聞かれているのに。
あたしは抵抗することをやめた。
小沢先輩があたしを放す。
『誰にも言うなよ?
意外と硬派な春輝にとっては
重大なことだかんな??』
小沢先輩は無表情で言った。
あたしは怖くて逃げ出そうとした。
『待ってて』
素早くあたしの腕を掴んだ小沢先輩。
『放してください!!!!!』
『声でかい、だまれ』
そう言ってまた、あたしの口を抑えた。
『春輝と双葉の邪魔すんなよ』
耳元でそう囁いた。
『…どうして双葉の名前知ってんの?』
どうして…??
『……知ってるから知ってる』