月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る

「間違いありません。自分が公園に来たのは午後11時です」

翌日の午後イチ。

公園にバイクでやってきた小林巡査はあたしの問い掛けに対し、きっぱりと言い切った。

小林巡査の年齢は24歳。

達郎より1コ下だが、彫り深な顔だちのせいか実年齢より上に見える。

真一文字に結ばれた口もとが印象的な、実直そうな警官に見えた。

「不審者を目撃したのはあの柵のあたりなんですね?」

達郎が指さしたあたりを見て、小林巡査はうなずいた。

「で、あなたが立っていた場所はここ」

達郎が足元をさすと同じようにうなずく。

あたしは手をかざして柵のあたりを見た。

夜でも金髪に白ジャケットなら目立ちそうな距離だ。

しかし小林巡査の証言に疑問の声が挙がっていないワケではない。

すべては東久志のアリバイが問題だった。

「自分があの時、不審者を取り押さえていればこんな事には…」

小林巡査は遺体に足をとられ転倒したことをひどく後悔していた。