月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る

独身で、経済的な余裕もある人間が惹かれた相手との結婚を望むのは自然なことだ。

しかし、ひと回りも下の女性にのめり込んだ事に対してはやはり照れがあるのだろう。

「その日の夜も、私は彼女と過ごしていました」

ベッドで2人まどろんでいるうちに、しのぶの方が先に寝ついた。

部屋の明かりは消していたが、月の光が窓からさしこんでいた。

月光は、しのぶの、ちょうど首筋から肩あたりを照らしていた。

白く美しい、まるで陶磁器のようだ。

横倉はそう感じた。

特にしのぶの首筋の美しさに目を見張った。

白く美しいだけでなく、どこか儚さを感じる魅惑的なライン。

横倉は「さわりたい」と思った。

心の底から「触れてみたい」と思った。

これまで幾度も指や舌をはわせてきたはずの身体に対し、今さらなぜそんな感情がわきあがったのか。

横倉自身にもよく分からなかった。