月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る

「プライベートに関する質問をしてもいいでしょうか」

達郎が話に入ってきた。

「なんなりと」

横倉はうなずいた。

「あなたと吉原さんは男女の関係でしたか?」

なんつーストレートな物言いだ。

もう少し遠回しにいけよオイと思ったが、横倉はさして気にした風もなく達郎の言葉を肯定した。

「それは愛人関係というものでしたか」

これも横倉は肯定した。

「彼女のマンションは私が買ったものです」

横倉のこの発言に対し、隣にいた洋子は特に反応を示さなかった。

職業柄この手の話には慣れているのだろう。

「では最後に。吉原さんとの結婚を意識したことはありますか?」

それまで淡々と答えていた横倉だったが、この質問に対しては苦笑した。

「一度だけあります。ですがそれっきりでした」

「吉原さんにプロポーズをされたんですか?」

横倉はうなずいた。

「信じられないというかあり得ないというか、そんな断られ方をしましたけどね」