月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る

「小山さんから伺ったのですが、横倉さんは吉原しのぶさんと親しい間柄だったそうですね」

「ええ。熱心に口説かせてもらいました」

横倉は白い歯を見せた。

いやらしさのない笑いだった。

人気者の運動部キャプテンがそのまま大人になったら、こんな笑顔を作るのだろう。

「容姿が好みというのもあったんですが、話も面白くてね。それでのめり込んでしまったんです」

会話というと先ほど洋子から聞いたような内容なのだろうか。

訊いてみるとその通りと答えた。

「不思議ちゃんってのとは違って、彼女には知識の裏付けがあったんですよ」

ここで横倉は煙草を取り出した。

構いませんかと訊かれたので、どうぞとうなずいた。

達郎も同じ仕草をした。

「じゃ遠慮なく」

横倉が煙草をくわえると洋子が火を点けた。

「刑事さんはご存じかもしれませんが、しのぶは才媛でしてね。高校時代は成績優秀だったそうですよ」

横倉は煙を吐いた。