月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る

「ポーって誰ですか?」

「世界初の推理小説『モルグ街の殺人』を書いた人ですよ」

「すっごーい!なんでそんなこと知ってるんですか!?」

洋子のテンションとは対称的に、達郎の顔が面倒臭そうなそれに変わった。

あたしは仕方なしに達郎が4年間海外留学してたこと、今でも現役の文系大学生であることを説明した。

「へぇーすごーい☆」

なにその☆は。
てか最初の態度はどこへいった。

「話を戻していいでしょうか」

脱線したのはお前のせいだ達郎。

「あ、ごめんなさい☆」

だからなにその☆はっ。

「吉原さんがホストクラブに通ってたことはご存じでしたか」

「ええ。それは知ってました」

洋子はうなずいた。

「面白半分に行ってみたら、ヒサシっていう面白い男の子がいて楽しかったって言ってました」

「小山さんはそのヒサシというホストとは面識がありますか?」

あたしの問い掛けに洋子は首を振った。