「もちろん最初は恐ろしかったわ。でもね、何度も同じ夢を見るうちに不思議な気持ちになっていったの」
しのぶの告白は続く。
「しだいにあたしは、その夢の中の男に対して自ら喉を差し出すようになった」
しのぶは顎をゆっくりと反らした。
それによって磨きあげられた陶磁器のような白い喉が露になった。
その美しさに、東は思わず生唾を飲み込んだ。
「男の持つ銀色のナイフがあたしの喉を真一文字に切り裂き、真っ赤な血が飛び散る。その恐ろしいはずの瞬間を待ちわびるようになったの」
おどろおどろしい内容とは裏腹に、しのぶの声には底知れぬ淫猥な響きがあった。
「いったいなぜそんな気持ちに?」
東はそう訊かずにおれなかった。
「なぜって?…そうね、しいて言えば愛のなせる業かしらね」
「愛?」
「そう。いつしかあたしは夢の中の男を愛するようになったの」
美しい喉をさらしたまましのぶは言い切った。
しのぶの告白は続く。
「しだいにあたしは、その夢の中の男に対して自ら喉を差し出すようになった」
しのぶは顎をゆっくりと反らした。
それによって磨きあげられた陶磁器のような白い喉が露になった。
その美しさに、東は思わず生唾を飲み込んだ。
「男の持つ銀色のナイフがあたしの喉を真一文字に切り裂き、真っ赤な血が飛び散る。その恐ろしいはずの瞬間を待ちわびるようになったの」
おどろおどろしい内容とは裏腹に、しのぶの声には底知れぬ淫猥な響きがあった。
「いったいなぜそんな気持ちに?」
東はそう訊かずにおれなかった。
「なぜって?…そうね、しいて言えば愛のなせる業かしらね」
「愛?」
「そう。いつしかあたしは夢の中の男を愛するようになったの」
美しい喉をさらしたまましのぶは言い切った。


