携帯電話を開けると、画面には、
着信あり と、
伝言あり の、表示があった。
携帯電話の画面を覗き込んでた、智香が言った…
「とりあえず、伝言聞いてみなよ……」
私自身、誰からの伝言なのかが、気になったので、伝言テープを再生した
私と智香は携帯電話に耳を近付けた
『俺だ!お前、なんで電話に出ねぇんだ?何時になってもいいから、電話しろ!』
『「……………。」』
ぶはっ!
智香が吹き出した。
「……何、この伝言?すんごい、自己チュー!なんですけど……俺だ!って、誰だ!?』
アハハハハー
アハハハハー
今度は、思いっきり笑っている……
そんな智香をよそに、私は困惑していた。
ほんとにかかってきた。
俺だ!
伝言に残されているのは、間違いなく、矢崎さんからのものだった。
「智香、そんなに笑わないでよ。私……」
「ごめん、ごめん。でも、あの伝言、誰が聞いても、笑うよ……」
「……………。」
「とりあえず、矢崎さんに電話しないとね……」
「かけなきゃ、ダメ?」
「ダ―――メ!!矢崎さんに逢いたいんでしょ…」
「……わかった。かけるよ…」
私は渋々返事をした。
「ここじゃ、ゆっくり話せないから、家に帰って、かけてあげなよ……」
そういうと、智香は残っていた飲み物を飲み干し、行くよ!と言って、私の手を引っ張って、お店を出た。
