「……だって、そうじゃねえか…?」
「何が……?」
「最近の話だろ…?」
「…それが、どうした?」
「……何年経ったんだ?」
「……何年って…?」
「だから、お前が、澪に一目惚れ…『…それ以上、言うんじゃねぇ!』
淳がお兄ちゃんが言おうとしたことを止めた……
きっと、淳は恥ずかしかったんだと、私は思った。
「……わかったよ…でもよ、そんなに怒んなくても、いいじゃんかよ…」
と、言って、お兄ちゃんがシューンとなった……
「……これだけは言っとくが…」
と、淳が言った。
「何だよ……?」
と、まだ、シューンとなったままの、お兄ちゃんが聞いた…
「……何だよ?って、あれだ…」
「……あれじゃ、わかんねぇし…」
「あれだよ、あれ…」
「……だから〜、あれじゃ、わかんねぇって…」
「……偶然じゃないって、ことだ…」
「……どういう意味だよ?言ってみろよ…」
「俺に言わせる気か…?」
「あ〜……是非とも聞きてぇな…」
「……そうなる運命だったってことだ…」
すると、お兄ちゃんが吹き出し、笑いながら言った
「……う、運命…?」
「……何がおかしい…?」
「そりゃ、おかしいさ…」
と、言って、お兄ちゃんが笑い出す……
「だから、何笑ってる?」
「……だってよ〜、お前の口から、運命って言葉が出るとは、思わねぇよ…」
「……口にしたら、悪いか…?」
「……いいや〜、悪くねぇ…」
と、言って、またお兄ちゃんが笑った……
「……お前、後でどうなんのかわかって、笑ってんだろな…?」
と、淳が言った。
すると、お兄ちゃんは
「……いいや、どうなんのか、わかんねぇ…」
と、言って、また笑ったのだった。
「……チェッ、悠哉、後で覚えてろよ!」
と、淳が言った。
そして、二人の会話がようやく終わったのだった……
そうしてるうちに、段々と人で溢れる花火会場へと、近付いてきているのだった……
