私は涙があふれ出した。
心の中はマサ代ではないけど
自然にあの家族にとけこめた。

 ありがと


「昔は、店は臭くていやだって
言ってたけど最近は
このにおいが大好きだと言ってくれた。
店の手伝いも
店のために我慢もしてくれた。
おまえは俺の宝だぞ、
真重くんと一緒なら心配しなくて
いいんだな。」


父は私に顔を寄せながら
つぶやいた。


柴田と美雪
元哉と香利が入ってきた。


「嘘・・・嘘よね?」
美雪と香利が駆け寄ってきた。


「最後のバイクだったのに!!
ずっと赤ちゃんができても
おかあさんになっても
友達だって言ったよね?」


柴田が美雪を抱きしめた。



 親不幸だね
 今も心配してるんだよね。


 ごめん、パパ、ママ・・・
 もうすぐ桃子
 帰るから・・・・・



元哉は無言だった。
そして病室を出て行った。