真重の母に会ってみたくなって
病院に向かった。


病室の前に立って中を見渡した。


「いない。」


帰ろうと振り返ると
車イスに乗った真重の母親が
少しうなだれた様子で
戻ってきた。



看護師が
「あら、お見舞いの方よ。」



真重の母は
怪訝な顔をしていた。


「あ、はじめまして
私真重くんの友人で
志村 マサ代と言います。」


「あらマーくんの?」


母親はとても
うれしそうな顔に変わった。