「青野さんは、ぶつけた所大丈夫?」



俺が拾ったファイルを真瑠に渡しながら聞いてみた。



「あっはぃっ。
大丈夫…です…。」




俺を見上げながら、そう答えた真瑠。

何か不思議そうな、言いたそうな顔をしながら答えた。



「ん?どした?」



不思議に思って俺が聞くと、首を左右にブンブン振って



「何でも無いですっ。
すっすいません!
ファイルありがとうございます。」



真瑠は慌てた様にそう言って、席に座った。



……。



真瑠は、またテキパキ仕事を再開している。



ん?


何か様子違う…?



何が違うかは分からないけど、何か違う気がする。



この前までの真瑠と…。



キーボードを打ちながら、真瑠が数回チラッって俺をみてる。


すぐに視線をディスプレイに戻してたけど、絶対に俺を意識的に見たよな。


俺もデスクに向って仕事しながら、気付かないフリして様子を伺ってたけど


今までじゃ有り得ない真瑠の行動に


もしかして…


ってちょっと期待してしまうじゃんか


おかげで仕事が余り進んでない…


俺としたことが…。