正直俺も、疲れ果てていた。
でも、何故だか心地よく感じ、まるで憑きものが取れたような気分やった。
清人が再手術を終え、戻ってきたのはそれから数時間後。
レナちゃんはその手を握るように、一緒にベッドで眠っていた。
「重症患者のベッド半分奪うとは、ふてぇ女だな。」
振り返るとそこには、嶋さんの姿。
欠伸を噛み殺しながら、ドアに体を預けて佇む。
「きっと安心したんやよ。
それに多分、ふたりで居る分にはもう大丈夫やろうし。」
ふっと憎たらしく笑い、嶋さんは俺へと視線を移す。
「…何?」
「別に何でもねぇよ。」
相変わらずぶっきらぼうな台詞で、俺は笑った。
本当は清人やレナちゃんのこと、心配してたくせに、って。
「俺、アンタのこと別に恨んだりしてへんよ。
それに、ホンマの父親よりずっと、親父っぽいと今は思ってんねん。」
言ってやると、嶋さんは驚いたように目を丸くしていた。
珍しい顔をしたなと俺は、やっぱり笑ってしまうんやけど。
「このふたり、子供みたいな顔して寝てるやん?
何か可愛いなぁ、って思えへん?」
嶋さんは答えなかった。
でも、確かに俺には伝わるものがあった気がした。
「ありがとうって、俺ら言ってへんかったよな?」
でも、何故だか心地よく感じ、まるで憑きものが取れたような気分やった。
清人が再手術を終え、戻ってきたのはそれから数時間後。
レナちゃんはその手を握るように、一緒にベッドで眠っていた。
「重症患者のベッド半分奪うとは、ふてぇ女だな。」
振り返るとそこには、嶋さんの姿。
欠伸を噛み殺しながら、ドアに体を預けて佇む。
「きっと安心したんやよ。
それに多分、ふたりで居る分にはもう大丈夫やろうし。」
ふっと憎たらしく笑い、嶋さんは俺へと視線を移す。
「…何?」
「別に何でもねぇよ。」
相変わらずぶっきらぼうな台詞で、俺は笑った。
本当は清人やレナちゃんのこと、心配してたくせに、って。
「俺、アンタのこと別に恨んだりしてへんよ。
それに、ホンマの父親よりずっと、親父っぽいと今は思ってんねん。」
言ってやると、嶋さんは驚いたように目を丸くしていた。
珍しい顔をしたなと俺は、やっぱり笑ってしまうんやけど。
「このふたり、子供みたいな顔して寝てるやん?
何か可愛いなぁ、って思えへん?」
嶋さんは答えなかった。
でも、確かに俺には伝わるものがあった気がした。
「ありがとうって、俺ら言ってへんかったよな?」


